“御食国”淡路島からの贈り物「わかめ麺」

井上商店「わかめ麺」
井上商店わかめ麺
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皇室や朝廷へ食料を献上した“御食国(みけつくに)”と称された兵庫県淡路島で120年以上、淡路の食を島内外へ伝える井上商店。今回は井上商店の個性豊かな淡路の食の中から60年もの長い年月をかけて開発された「わかめ麺」を贈り物としてご紹介する。

井上商店の「わかめ麺 」について、おすすめポイントをご紹介しよう。

鳴門海峡産わかめ

速い流れに揉まれ肉厚に育った鳴門海峡産わかめを使用

わかめ麺には淡路島近海、鳴門海峡でとれる肉厚なわかめを使用。鳴門海峡産わかめは、吉野川と播磨灘、太平洋の各栄養を含む世界一大きいといわれる渦潮で揉み上げられて育つ。そのため、食物繊維やミネラルが豊富で、風味豊かで肉厚なのが特長だ。

わかめ麺

独自製法が生む、豊かな風味と楽しい食感

井上商店独自の“わかめペースト製法”でつくられた麺は、わかめを一度乾燥させ粉末にする“粉末製法”とは違い、よりわかめの風味、独特の食感、鮮やかな緑色を楽しむことができる。

わかめ麺熨斗付

つくり手の思いが伝わるパッケージ

「わかめ麺ギフトセット」のパッケージには、鳴門海峡産わかめの魅力や、淡路島の食の魅力を多くの人へ届けたいというつくり手の思いが伝わるメッセージが書かれている。

わかめ麺ギフト

さらに、海でゆらゆらと揺れるわかめをモチーフに先代社長の奥さんと現社長の奥さんの2人がデザインしたオリジナルの熨斗もつけることができ、贈り物にもぴったりだ。

御食国淡路島の恵みを多くの人に伝える

兵庫県粟石間

若狭国(現在の福井県南西部)、志摩国(現在の三重県東部)と並んで、皇室や朝廷に海産物を中心とした食材を献上してきた「御食国」と称された兵庫県淡路島。古事記の仁徳天皇の項には、「淡路島の寒水を酌みて、大御水献りき」とあり、飲み水までも淡路島から運ばれていたという。

現在も、辛みが少なく甘みが強いことで知られる淡路島産玉ねぎをはじめ、淡路島は数多くの食材に恵まれる。そのうちのひとつ、わかめの魅力を島内外の多くの人に伝えているのが井上商店のわかめ麺だ。

井上商店は明治34年(1901年)に創業し、うどん飲食店を始めた。2代目が冷凍したうどんが解凍後も美味しかったことから冷凍麺に着目し、冷凍即席ラーメンを販売して一時生産が追い付かなくなるほどの人気を誇るも、大手メーカーの即席ラーメンの出現とともに売上は激減。新たな商品として、わかめ麺の試作に着手した。

わかめペースト製法

わかめの麺の開発を始めたのは、井上商店がそれまでおこなってきた麺類の製造販売事業とかつて「御食国」と称された淡路島の特産品を、“なんとか掛け合わせることはできないか?”と発案したのがきっかけだ。

淡路島に数多くある特産品からわかめを選んだ理由は、“食卓によく並ぶ佃煮をはじめとするわかめ料理は皆黒いが、湯通しした直後のわかめ本来の鮮やかな緑色を活かした麺をつくりたい”という思いからだそう。しかし、2代目、3代目と試行錯誤を繰り返しても麺はポロポロと崩れてしまい、麺として成り立たなかった。

それでも開発を諦めず、最初の発案から30年後、大学で食品工学を学んだ4代目現社長の井上賀夫さんが、“従来の粉末製法ではなくペースト状にして麺に練りこんではどうか?”と独自のペースト製法を開発し、初めて麺としての形状を完成させた。これがわかめ麺の前身である「わかめそば」だ。しかし、うどん文化が根強い関西圏では売れ行きは好調とはいえなかったため、賀夫さんは “淡路島の魅力が最大限伝わる、より尖った特徴のある商品をつくろう”と考えた。麺として繋がるギリギリまでわかめの分量を増やした麺を開発し始め、わかめそば完成から30年後、着想から60年を経てようやく完成したのが「わかめ麺」だ。

わかめ麺

色鮮やかな麺を口に運ぶと、つるつるもちもちとした食感の楽しさとともに、わかめの香りが口いっぱいに広がる。麺の太さは開発の際、従業員で試食を繰り返して決めた。より美味しく味わえる麺の太さもこだわりだ。食感を決める小麦粉は北海道産と兵庫県産の小麦粉をブレンドして使用し、風味を左右する食塩は兵庫県の赤穂のものを使用している。

また、井上商店ではこうしたこだわりのうどんづくりを兵庫県下の小学校を中心に教える活動もおこなっており、平成28年度には文部科学省からの表彰を受けている。

自分たちだからできる食をつくる

井上賀夫

3代にわたり開発で失敗や挫折も多く繰り返してきた井上商店が開発を諦めなかったのは、「自分たちだからできる商品をつくろうという気風があったから」と、賀夫さんは話す。

「もともと2代目3代目と、インパクトのあるもの・まだ見たことがないものが好きという志向だったのもありますが、この先も会社として存続するために、大手と同じ土俵に乗るのではなく、“自分たちならではの尖った面白い商品をつくろう”という考えが生まれたのだと思います。いまでは、その考えは日々社内で耳にタコができる程聞くフレーズとなっています」と、賀夫さんは言う。

わかめ麺ギフトセット

わかめ麺のおすすめの食べ方は「シンプルに“ざる”で食べてもらえたら」と、賀夫さん。わかめ麺は食感や風味を失わないよう、冷凍されて送られる。同様に凍った専用のつゆもついてくるため、自宅でサッとゆでるだけで簡単に食卓に出すことができる。ゆでるときのポイントは沸騰したお湯に凍ったまま麺を入れること。冷水でさっとしめ、口に運べば、上品なわかめの風味とつるつるもちもちとした食感が楽しめる。お好みで海苔やとろろと合わせるのもおすすめだという。

毎日の食卓を美味しく鮮やかに彩るわかめ麺。ぜひ身近な方への贈り物に選んでみてはいかがだろうか。

Writer : MAIKO KAWAMURA
 / 
Photographer : CHIE MARUYAMA

有限会社井上商店

有限会社井上商店
所在地 兵庫県南あわじ市広田広田577-1
TEL 0799-45-0385
URL https://mikke-awajishima.com/

※こちらの情報は取材時のものです。最新の情報は各店舗にお問い合わせください。

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