焼酎の風味広がる 長期熟成「生詰みりん」
小笠原味淋醸造の「一子相傳」の、贈り物としてのおすすめポイントをご紹介しよう。
国産原料100%、焼酎の香り高いみりん
小笠原味淋醸造では、すべての原材料から国産のものを選び仕入れている。「一子相傳」は国産の焼酎で仕込むため、紹興酒をまろやかにしたような、香り高く上品な甘みが特長だ。
少量手仕込み、繊細な味わい
昔からの方法で、ほぼ手作業で仕込むみりんは、その日の気候や湿度に合わせ、常に微妙な調整を加えながら丁寧につくられる。繊細で素朴な味わいは手作業ならではの深い味わいをもたらす。
手仕事が伝わる温かみあるラベル
以前は一枚ずつハンコを押して手づくりしていたというボトルラベル。現在は印刷しているが、そのデザインは手仕事の素朴さが残っている。「ソノ旨キコト、天ニモノボルモノナリ。」とカタカナで書かれた愛嬌のあるコピーからも温かみが伝わる。
徹底した手作業でつくる生詰みりん
1700年代後半からみりん醸造が営まれてきた愛知県碧南市だが、現在は4軒にまで醸造所が減ってしまった。その中のひとつ、小笠原味淋醸造は、従業員は代表ご夫婦のわずか2名ながら、徹底した手作業で“ホンモノ”のみりんを提供している蔵元だ。
小笠原味醂醸造がつくるのは、生菌数が少なく加熱殺菌の必要がない「生詰みりん」。まろやかな風味と上品な甘みが特長だ。加熱していないことで麹の酵素活性があるという。
丁寧な昔ながらの手作業と100%の国産原料、徹底した衛生管理をおこなう小笠原味醂醸造だからこそ可能とする生詰みりんだが、小笠原さんは「あたりまえのことをやっているだけ」と言い放つ。
仕込みの時期に20度ほどの気温が必要なみりんは、寒い時期に仕込む日本酒とは違い、春や秋に仕込みがおこなわれる。小笠原味淋醸造では毎年春に仕込みがおこなわれるが、その量はおよそ5,000リットルのタンクに6本のみ。それ以上はつくらないため、市場には大きく出回らない。「ここしかない」と、遠方から買い付けに来る方もいるという。
「一子相傳」は国産焼酎を使用した、特に香りの高い生詰みりんだ。甘みが強く焼酎の香りがふわっと広がる風味は、まるで紹興酒をまろやかにしたような上品な味わい。ほんの少量使うだけでも、料理の美味しさを引き立ててくれそうだ。
煮物だけではない、みりんの活用方法
みりんといえば、出汁、醤油、酒と一緒に、煮物などの日本食の味付けに使う調味料という印象が強い。奥様の小笠原曜子さんにみりんの美味しい活用方法を教えていただいた。
「『一子相傳』は国産の焼酎を原料にしていますので、風味が強く、魚の生臭さを消す力がみりんのなかでも強いです。魚の煮付けをする際は『みりん3:醤油1:酒少し』が小笠原家に伝わる定番の味付けです」。
本格みりんはアルコール度数が高く、「一子相傳」も14度ほど。高いアルコールと糖分の相乗効果で煮崩れを防ぐため、野菜や魚などは火をかける前に他の調味料と一緒に入れるとよい。肉料理の場合は、身がしまってかたくなってしまうため、煮切ってアルコールを飛ばしたみりんで味付けをするとよいという。
他にも、「だし4:みりん1:醤油1」の割合でつくる「めんつゆ」や、みりんを耐熱容器に入れて電子レンジなどでアルコールを飛ばしながら半分ほどの量になるまで煮詰めてつくる「シロップ」がおすすめだという。
「みりんでつくったシロップはコーヒーに入れたり、プリンやホットケーキにかけて食べるのがおすすめです。アルコールの効果を料理に活かしたり、またはアルコールを飛ばしてお菓子に使ったり、みりんのイメージにとらわれすぎずに活用してもらえたら」と、曜子さん。
一子相伝受け継がれた「生詰みりん」。ぜひ料理が好きな方への贈り物に選んでみてはいかがだろうか。