自然の恵みが詰まった創意あふれるこんにゃくジェリー

こんにゃく工房 迦しょう「てんぐの玉手箱」
てんぐの玉手箱
< PACKAGE >
てんぐの玉手箱
群馬県の特産物、こんにゃく芋。その収穫量は日本一で、約9割のシェアを誇っている。群馬県北部の沼田市で、地の利を生かし、すべて手づくりで製造されているこんにゃくジェリーがある。かわいらしいパッケージと、丸いフォルムが独特な「てんぐの玉手箱」だ。果実の瑞々しさと、食感にこだわってつくられた一品をご紹介する。

こんにゃく工房 迦しょうの「てんぐの玉手箱」について、おすすめポイントをご紹介しよう。

てんぐの玉手箱

生の果実をたっぷりつかった贅沢なジェリー

「てんぐの玉手箱」のこだわりのひとつが、群馬県産の生果実をつかっていること。いちご、りんご、ブルーベリー、みかんの4種の完熟果実はすべて地元の生産者の元から届いている。一つひとつ、配合量にも気をつかい、果実そのもののような美味しさを味わえる。

素材本来のよさを活かし、食感も楽しめる

香料や着色料、人工甘味料は不使用。健康志向の方や、子どもにもおすすめできるスイーツだ。また、こんにゃくをつかっているため、その食感も楽しみのひとつ。食べたときに、つるんとやわらかくもっちりした食感になるように考えてつくられている。

果実の瑞々しさと手づくりこんにゃくの美味しさが開発のきっかけに

こんにゃく工房迦しょうの遠藤春奈さん

県内有数のこんにゃく芋の産地、沼田市に「てんぐの玉手箱」を製造する、こんにゃく工房迦しょうはある。工房を営む、遠藤春奈さんにお話を伺った。

2005年、ご主人の実家である群馬県沼田市に移住し、こんにゃく芋農家を始めた遠藤さん。赤城山麓にある広大な畑でこんにゃく芋を栽培していたが、2014年に親戚の工房を引き継ぎ、商品製造もおこなうようになったという。現在工房には6名のスタッフが働いており、全員が女性だ。工房を引き継いだ当初から、子育ての大変さを分かり合える同志で働きたいと、今でも小さな子どもがいる母親だけで工房を切り盛りしている。

こんにゃく工房迦しょうの様子
©︎Max Houtzager

「創業当時、私の子どもが幼稚園に通っていて、一緒にやる仲間を探す際にママ友に声をかけたのがきっかけです。また、子どもをもつ親なら、子どもに食べさせたいものをと、より丁寧につくり、美味しいものができるのではと思っています」。

工房では、自家栽培のこんにゃく芋をつかったこんにゃくのほか、こんにゃくをつかった加工品を製造、販売している。名水地として知られる玉原高原に工房を構える土地柄、水道から湧水が出るという。

こんにゃくづくりの様子
©︎Max Houtzager

「こんにゃくも加工品も、湧水をつかってすべて手仕事でつくっています」と、遠藤さん。こんにゃくの9割は水でできているといわれているが、こんにゃくづくりそのものにもこだわりがみられる。そんな工房で販売している商品の中でもとくに人気なのが、「てんぐの玉手箱」だ。

「群馬県に移住して一番初めにびっくりしたのは、採れたてのの果実と、手づくりこんにゃくの美味しさ。この2つを掛け合わせて新しい商品をつくりたいと思いました」。

群馬県ならではのお土産をつくれないかと考えていた遠藤さん。果実をつかったこんにゃくジェリーの商品化を思い立ち、試作を始めた。

地場の果実の香りを生かした賜物

生の果実をつかって製造されている「てんぐの玉手箱」だが、果実を選ぶ過程で、生で食べて美味しくても加工に向いていないものもたくさんあったという。また果実によって採れる時期が違うので、1年間かけてどの果実がこんにゃくに合うかを試していった。

「香料を使わないので、生で果実を食べたときと同じようにふわっと感じる香りを基準に果実を選びました。加工食品を作るのは初めてのことで、一から勉強したり、品質がどれくらい維持できるか研究を重ねることが大変でした」。

てんぐの玉手箱に使われている果実
©︎Max Houtzager

試行錯誤の末、2018年の夏に商品化された「てんぐの玉手箱」。もちろん果実は群馬県内の農家から仕入れている。

「完熟の果実だと市場に出回らないので、それを引き取って加工したりもします。6次産業化したいけど時間がなくてできない農家さんもいるので、喜ばれています。」と、遠藤さん。信頼できる農家から仕入れた新鮮な果実をつかって製造することで、地元の農家のPRもしている。

てんぐの玉手箱を割る様子

「てんぐの玉手箱」のつくりかたはいたってシンプルだ。生の果実を潰し煮て、こんにゃく粉、砂糖、オリジナルで配合した海藻粉などの原料と合わせ、風船型の容器に詰める。これだけの原材料で、香りがよく瑞々しい、弾力のあるジェリーができあがる。よく冷やして食べるのがおすすめだという。味や香り、食感に加えて、食べるときに風船を割る演出も特長だ。

「心に残るお土産にはエンターテイメント性が大事だと思い、小さい頃に割るのが好きだった玉羊羹から着想を得て、丸いフォルムにしました」。

てんぐの玉手箱パッケージ

ユニークなのは食べ方だけではない。おとぎ話に出てくるような商品名は、工房が「てんぐの霊峰」と称されている迦葉山(かしょうざん)の麓にあることに由来する。また、玉であるフォルムと、箱を開けた時にカラフルでワッと驚く感じから、「玉手箱」と息子さんが名付けたという。

海外でも注目されるこんにゃく

てんぐの玉手箱

こんにゃくの国内需要は減少傾向にあるが、海外での注目度は高まっているという。「てんぐの玉手箱」も、アメリカやドイツでも販売したそうだ。

「海外でも、こんにゃくは健康志向の方には浸透してきていると思います。本当はそのままのこんにゃくを食べてほしいけれど、まずは手に取ってもらいやすいように、食べやすく美味しいと感じてもらえる『てんぐの玉手箱』を輸出しました」。

てんぐの玉手箱

国内外問わず、「てんぐの玉手箱」を通じてこんにゃくに対する印象を変えていきたいという遠藤さん。今後、パッケージやウェブサイトも刷新し、クリエイティブな面からも興味を持ってもらえるよう試みている。

創意にあふれ、食べる人を楽しませてくれる「てんぐの玉手箱」。素材にこだわり、すべて手仕事でつくられるこんにゃくジェリーをぜひ味わってみてほしい。

Writer : YUMIKO FUJIKI
 / 
Photographer : YUTA SUZUKI
※掲載されている一部の画像については、取材先よりご提供いただいております。

こんにゃく工房 迦しょう

所在地 群馬県沼田市中発知町1455
TEL 0278-23-9124
URL http://konjac-kasho.com/

※こちらの情報は取材時のものです。最新の情報は各店舗にお問い合わせください。

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