漢方の力で育つ。こだわりの褐毛和牛
*パッケージは価格帯によってカタチが変わる場合がございます。
*デザインは時期によって変更の場合がございます。
肉に細かく脂の入った霜降りが重視されるブランド和牛の世界で、「漢方和牛」はほどよいサシのある自然な肉質を重視。
そのために取り入れたのが、自然治癒力を高める東洋医療の知恵・漢方薬をアレンジした自家配合の漢方飼料と、ストレスフリーな環境で愛情たっぷりに牛を育てること。あっさりとした脂と美しい赤身を持つ「漢方和牛」の味わいは、和牛の新しい美味しさを体験させてくれる。
まずは、日本ハムの「漢方和牛」を実際にSHUN GATE編集部メンバー内で食べたときの感想を、味だけではなく、見た目など様々な角度から、受け取る側の素直な気持ちも交えてお伝えしておこう。
口の中の温度でとろける、さっぱりとした脂の旨み
表面に金の箔押しで牛のイラストが入った高級感のある箱を開けると、美しく並んだ薄切りのロースがお目見え。本来は脂身の多い部位でありながら、一般の和牛よりも赤身がしっかりとしていて、適度なサシが網目状にまんべんなく入っている。
「漢方和牛」をすき焼きにして食べてみる。熱したすき焼き鍋でさっと焼き、割り下の味が染み渡ったところで卵にくぐらせてひと口。すると、21.3℃という低い融点を持つ脂が口の中でさっと溶けて広がり、後からじわじわと甘みが追いかけてくる。きめ細かな赤身はジューシーで、脂と赤身のバランスがなんともいえず絶妙だ。さらに驚いたのは、牛肉の風味。心地のよい牛肉の香りが口に広がる。肉の旨みだけが濃縮されたこのお肉なら、何枚でも平らげてしまいそうだ。
「健康な牛肉は健康な牛から」をモットーに
宮城県栗原市。栗駒山の麓に広がる雄大な自然を生かした関村牧場で「漢方和牛」は育てられている。種付けから出荷までを一貫して行うというこの牧場のスタイルは、業界では珍しい。牧場長の関村清幸さんの案内で奥へと進むと、ゴツゴツとした急勾配の斜面に、赤毛の牛たちがのびのびと放牧されていた。
「この急斜面が牛の丈夫な足腰を作るんですよ。一般的に和牛は黒毛のイメージが強いですが、うちの母牛は大半が褐毛和種。黒毛に比べて性格が温厚で優しいので、ストレスが少なく育ちます。健康な牛肉をつくるには、牛自体が健康じゃないとね」と語る関村さん。
また、一般のブランド牛は、霜降りをつくるために血統を管理し人工受精によって交配させるが、ここでは関村さんが独自の目利きで種牛を選び、自然交配によって仔牛を産ませているという。そして約30ヶ月の時間をかけて、ゆっくりと愛情を注ぎながら育てていくのだ。
深い追求が結実した漢方飼料
「漢方和牛」に欠かせないのが、14種のハーブなどをブレンドした漢方飼料。関村さんが試行錯誤を重ね、独自に配合した秘密兵器だ。
まず、出荷の8ヶ月前から12種ブレンドの漢方飼料を与え、その後の2ヶ月は、肉の甘みや融点の低い脂をつくるというエゴマと米ぬかをプラスする。関村さんは7年もの月日をかけて、この「漢方和牛」をつくり上げた。
「十数年前にBSE問題が世間で騒がれた時、『牛に無理をさせず、自然に近い環境で、健康な牛を育て、牛肉本来の美味しさを追求しなければいけない』と思いました。その信念を持って長く続けてきた結果、この『漢方和牛』に辿り着くことが出来ました」と語る関村さんの表情は、自信に満ちていた。
また、関村牧場では「漢方和牛」の排泄物から作った堆肥を使い、野菜や米の栽培をすることで“循環型農業の輪”づくりを目指している。出来上がった作物は、地場産のオリジナルブランド品として地域を盛り上げる存在にもなっている。「漢方和牛」は食べる人に優しいだけでなく、地域で農業に携わるつくり手同士の繋がりも生んでいるのだ。
漢方和牛が広がる原点。レストラン「幸之助」
国道4号線沿いに店を構える「幸之助」は、漢方和牛をさまざまな料理で味わえる関村牧場系列のレストラン。ファミリーで気軽に利用できるテーブル席から個室まで完備されており、幅広い客に対応している。
メニューは焼き肉、しゃぶしゃぶ、ステーキなど、肉のおいしさをダイレクトに味わえる料理から、巨大なおにぎりにモッツァレラチーズを入れ、周りを挽き肉で包み込んだ「牛のたまご」などの面白い創作料理も味わえる。
もちろん、ここで使われている野菜やお米などは「漢方和牛」の堆肥で育てられた栗駒野菜で、店頭では個々に商品の販売もされている。「漢方和牛」から始まる循環型農業が生み出す魅力を存分に味わえる、地元で人気のお店なのだ。
これまでのブランド和牛の概念を変え、全く新しい思想で生み出された「漢方和牛」。つくり手のストーリーを添えて、この味わいを大切な人に贈ってみるのはいかがだろうか。