お酒とともに美味しい時間に酔える“おつまみ”
日本酒、焼酎、ワイン、ウィスキー、ビールなど、飲むお酒によっておつまみを合わせていくことで、一層美味しい時間に酔うことができる。ただ、家飲みともなると、どうしてもおつまみを作る手間を考えてしまい、乾きものなどで済ませてしまう人も多いのではないのだろうか。
そこで今回おすすめしたいのが“お酒のおつまみ”に特化した缶詰、その名も「缶つま」。“お酒のおつまみ”に合わせた食材を豊富に揃える「缶つま」は2010年の発売から今も話題を呼んでいる。
缶詰といえば手軽に食べられるのはもちろんだが、この「缶つま」は食材にもこだわり、少し手を加えるだけでお洒落なバーや本格的な居酒屋で出されるようなおつまみに早変わりするので、海外で人気の日本の居酒屋文化を家でも楽しむこともできる缶詰だ。
家飲みをワンランクアップさせるお洒落なラインナップ
缶詰に入ったおつまみ=「缶つま」は、その数なんと70種にも及ぶたくさんの種類があり、毎日食べても飽きないほどの充実ぶりだ。飽きない理由は種類だけではなく、素材へのこだわりにもある。「広島県産 かき燻製油漬け」や「みやざき金ふぐ 油漬け」など、缶詰の食材としては新しい素材の名前が並ぶ。どれも素材そのものや産地や“旬”な食材などにこだわった、選りすぐりの食材を缶詰にしており、商品名を聞いただけでも“お酒のおつまみ”に合うのも納得してしまう。
この缶詰の新しい概念をつくりだした「缶つま」はどのようにして生まれたのか。販売元の国分株式会社で、「缶つま」の生みの親である食品統括部 オリジナル商品第一担当の森公一副部長にお話を伺った。
保存食から嗜好品へ
「缶つま」誕生の背景をたずねると、森さんは、最初に缶詰市場の課題を話してくれた。「1990年代以降、生鮮品や冷凍食品、チルド食品などの影響で、缶詰の市場は非常に厳しい状況にありました。ツナ缶やトマト缶などの素材缶詰が主流で、小売店での扱いは小さく、缶詰の売り場は価格競争ばかりが目立っていました」。当時の消費者が持つ缶詰のイメージも、“保存食・防災品”というのが当たり前で、必要なときに立ち寄るだけの売場だったという。
「そのため、もっと商品を手に取って見て、買っていただける売場に並べてもらいたい、という思いで商品開発をしていたのですが、なかなか良いアイデアは生まれませんでした。そんな時、出版社から『缶詰をつかったおつまみの本を出したいので協力してもらえないか』という連絡をいただき、最初は掲載協力だけのつもりだったのですが、完成された本を見て、『これだ!』と思いました。『缶つま』というネーミングも素晴らしく、これを商品化しよう!と、開発に乗り出したのです」。
さらには、売り場も従来の缶詰売場ではなく、お酒と一緒に並べて売っていくことによって、「缶つま」の人気は広がっていったという。国内最大の酒類卸でもある国分は、取引のある全国の酒屋や小売店などへ、缶詰ではなく“お酒のおつまみ”として売り込みを繰り返した。この売り込みの甲斐もあって「缶つま」は、お酒と一緒に並べて売ってもらえるようになり、ついには缶詰の枠を飛び越え、嗜好品として認めてもらえる食材となったのだ。
協力工場をまわって探し求めたこだわりの食材
缶詰の用途を「おつまみ」に絞り込むことで、商品開発のアイデアは、さらに膨らんでいったという。「男女を問わず、とにかくお酒が好きな方に喜んでいただけるような商品を作ろうと思いました。今ではたくさんの種類がありますが、商品化する際の判断基準は、スタート時から変わらず“お酒のおつまみ”になるかどうかです」と森さんは話す。「缶つま」は使用する素材にも力を入れている。「全国に10箇所ほど協力工場があります。『缶つま』の開発担当者は自らが工場に足を運び、“お酒のおつまみ”になる新しい食材を常に探しています。今では工場の方から『こういう面白い食材があるんだけど“缶つま”にどうですか?』というようなご提案をいただくようになりました」。
以前は一般的な缶詰工場では、主流の素材の缶詰を安定的に作り続けることに注力して、新しい取り組みに着手することはあまりなかったという。「缶つま」の誕生によって、今では多くの協力工場が、この「缶つま」という新しい取り組みに参加しようと積極的になっており、缶詰市場に新たな輪が広がっているようだ。
お酒とのマリアージュを楽しむ
森さんは、「缶つま」を食べてもらう機会をつくることにも積極的に活動している。
「もともと酒類を扱っていた強みを活かし、酒類メーカーさんや小売業者さんにも協力いただき、多くのコラボレーションが実現しました。お酒を扱うところには必ず“お酒のおつまみ”のニーズがあるので、さまざまなイベントも自ら企画しています。例えば老舗のジャズバーをお借りして、ジャズの生演奏を聴きながらボージョレ・ヌーボーに合う『缶つま』をいただく“缶つまJAZZナイト”を開催したり、女性をターゲットにした“缶つまとロゼワインを楽しむ東京湾ナイトクルーズ女子会”を開催したりと、お酒を楽しむシーンで『缶つま』を体験してもらっています。売り上げの拡大も大事ですが、『缶つま』を通して、お酒を飲むエンタテイメントを多くの人に提供できたらと思っています」と楽しそうに語ってくれる森さん。
「缶つま」が発売以来、人気となっている理由は、ただ缶詰を食べることではなく、「缶つま」にはお酒を楽しむシーンまでも想像させてくれる魅力が詰まっていることにあるのだろう。
そのまま食べても美味しい「缶つま」は、ひと手間加えることで、さらに“お酒のおつまみ”としての魅力を味わえる楽しさがある。国分のWEBサイト「缶つま倶楽部」では「みんなの缶つま」というコーナーがあり、自分が考えたレシピを投稿できるようになっている。
そこで、SHUN GATE編集部でも、“旬”の食材を使ったオリジナル「缶つま」レシピを考案。レシピに合う森さんのおすすめのお酒も合わせてご紹介するので、是非、「缶つま」をお酒とともに楽しんでほしい。
SHUN GATEオリジナル「缶つま」レシピ
★ おすすめレシピ
この料理に合う森さんおすすめのお酒は、ウィスキーの「トマーティン ク・ボカン」。 「ク・ボカン」のスモーキーフレーバーが、牡蠣の燻製の味わいと香りをより引き立たせます。また、ほのかに感じる柑橘系の香りが柿と調和して、風味を活かしつつ料理とお酒を楽しむことが出来ます。
★ おすすめレシピ
この料理にぴったりなのは、白ワインの「パゾ・サン・マウロ」。 スペイン最西端の沿岸で生産された「パゾ・サン・マウロ」が持つミネラル感が、海を思わせる塩のニュアンスで、魚介の美味しさを引き出します。また、口に含んだ時に感じるレモンのような繊細な酸味が料理にさっぱり感を与えるため、和風パスタや和食にも合わせても楽しむことが出来ます。
国分初のセレクトショップ「ROJI日本橋」
東京の日本橋川のほとり、日本橋交差点には、国分が運営する食のセレクトショップ「ROJI日本橋」がある。道路から川辺のデッキへと抜ける路地空間の店内には、たくさんの種類の「缶つま」やお酒、地域の食材が取り揃えられている他、お酒と「缶つま」のマリアージュのアドバイスも受けられる。
食材にこだわり、お酒と一緒に楽しい時間を作り出す「缶つま」。家飲みのお供や、日本の居酒屋文化を味わうお土産にと、まさに、世界を酔わせる可能性すら感じる“おつまみ”だ。