夏の名残を愉しむ、流しそうめん
夏の名残を惜しみ、秋の訪れを感じる今日この頃。まだまだ日本の夏を惜しむ人々は、海へ行ったり川遊びをしたり、次の季節を迎える前に夏らしい過ごし方を選ぶ。
今回SHUN GATE編集部は、夏の名残を感じるこの時期に、神奈川県葉山一色海岸の海の家「Cafe’de Rope’La mer」の場所をお借りして、特大の流しそうめんに挑戦した。
五感で愉しむ「流しそうめん」
日本には、五感を使った様々な方法で食を楽しむ文化があるが、なかでも「流しそうめん」は、舌で涼む日本の夏の風物詩ともいえるだろう。
竹製の樋(とい)を使ってそうめんを流し、箸で捕まえてめんつゆにつけて食べる「流しそうめん」。その発祥には諸説あるが、古くは江戸時代の琉球、那覇湾の一角に、崖上から落下する清冽な泉流の上源からそうめんを流し、それをすくって食べるのが夏の遊興の一番の楽しみであったと伝えられている。数百年も前から、日本の夏には「流しそうめん」があったのだ。
用意したのは、日本各地から取り寄せ、こだわりの素材で作った「究極のめんつゆ」と、これまた日本各地より厳選した8種類の「薬味」。彩りを添えるだけでなく、香りや食感を加え料理を引き立ててくれる薬味は、あればあるだけ楽しめる。それが「旬」の食材なら尚更だ。では、今回取り揃えた、8種類の薬味をご紹介しよう。
「流しそうめん」使用薬味
■ タラバガニ(マルハニチロ http://www.maruha-nichiro.co.jp/index2.html)
旬の限られた時期に獲れたタラバガニの脚肉の、最も太く味わいのある一番脚肉のみを使った缶詰「アラスカ産たらばがに脚肉缶詰」を使用。
■ もみのり(山本海苔店 http://www.yamamoto-noriten.co.jp/)
そうめんに海苔をのせて、磯の香りを楽しみながら食べるのは、海苔の食べ方の定番。
食物繊維やミネラル、タンパク質などの成分がバランス良く含まれている。
■ 新ショウガ(高知県産)
6~8月に出まわる新しょうがは、ヒネショウガの上に出来た新しい「根」の部分。繊維がやわらかく、さわやかな辛みが特徴で、ショウガそのものの味を楽しめる。
■ 白オクラ(熊本県天草)
夏野菜の代表格であるオクラ。中でも白オクラは、よく見かける緑のオクラに比べて表面がなめらかで、アクが少なくネバネバが強いのが特徴。大きくなっても柔らかく生で食べるのに向いている。
■ みょうが(高知県産)
みょうがは収穫時期によって「夏みょうが」と「秋みょうが」があり、特有の香りとさわやかな辛さが特徴。薬味にぴったりなその薄い紅色は、料理に彩りをそえる。
■ 小ねぎ(大分県産)
青ねぎ(葉ねぎ)を若取りしたもので、細ねぎ、万能ねぎなどとも呼ばれる。薬味の定番。今回は大分県の「大分味一」を使用。
■ 大葉(愛知県産)
夏から秋にかけて旬を迎える大葉も、夏野菜の定番。
薬味にもよく登場するが、栄養豊富で、爽快感のある香りが夏の食欲を増進してくれる。
■ 原木乾しいたけ佃煮(大分県産 オーエスケー http://osk-shiitake.com/)
究極のめんつゆ作りに使用したしいたけは、そのまま薬味にもなる。
醤油、みりんでそうめんとの相性も良い佃煮に。
今回、薬味のなかで、日本人だけではなく、海外からの参加者にも好評だったのはタラバガニの缶詰。海産物を中心に作っているため、出汁が香るめんつゆとの相性は抜群だ。
SHUN GATE編集部では、このタラバガニが旬の時期を迎える冬、
北海道の稚内にて、日本が世界に誇る「缶詰」という技術で旬を閉じ込め、いつでも美味しいカニを届けようと挑戦する生産者の姿を取材し、高度な製缶技術と職人のこだわりに迫る予定だ。
ご期待頂きたい。