隠し味はカカオの皮。長期保存もできるアップサイクル焼き菓子


マーケットで販売する自社ブランドとして生まれたのが「GOOD CACAO」。通常は捨てられてしまうカカオハスク(カカオ豆の外皮)とこだわりの原料を使ったお菓子やお茶は、良質さとサステナビリティを兼ね備えたプロダクトとして注目を集めている。今回はギフトにもぴったりの「日本茶に合う焼き菓子缶3種セット」をピックアップしよう。
3種のお菓子がセットに。京都らしい和を感じるパッケージ
手焼きのバームクーヘン、フィナンシェ、ラスクの3種が楽しめるギフトセット。
ブランドアイコン「カカオくん」を和風にデザインしたパッケージは、スタイリッシュでギフトにもぴったり。
美山牛乳のホエイとカカオハスクをアップサイクル
材料には通常捨てられてしまうカカオハスク(カカオの外皮)と、地元・京都の美山牛乳のホエイ(乳清)という2つの未利用素材を使用。地球に優しく、ストーリーのあるプロダクト。

無添加ながら常温で1年保存できる
缶詰にすることで、保存料なしでも常温での長期保存が可能に。余計なものは使わず、子どもからお年寄りまで誰にでも安心して楽しむことができる焼き菓子に仕上げた。
カカオハスクをアップサイクルした食品ブランド「GOOD CACAO」

GOOD CACAOシリーズはカカオハスク(カカオ豆の外皮)を使ったユニークな食品ブランド。通常カカオハスクは、カカオ豆をローストした後に取り除き捨てられてしまう部分だが、ブランドの生みの親である樹(うえき)宏昌さんはその芳醇な香りに注目。なんとか商品に活かせないかと試行錯誤を繰り返し、オリジナルブランド「GOOD NATURE MARKET」が2020年にGOOD CACAOシリーズを誕生させた。
「カカオハスクを使ったお茶から始まり、現在はお菓子やカレーなど25品目の商品があります。コンセプトは『人にも、自然にも、いいものを。』。安心安全な食材を使いながら、廃棄されていたカカオハスクをアップサイクルして価値をもたせることで、カカオ農家さんにも喜んでもらえる。加工には手間も時間もかかりますが、挑戦する意味と可能性のある面白い食材です」。
カカオハスクとホエイ。2つの未利用素材の出会い

そんな樹さんの頭の片隅にずっとあったのが、「美山牛乳」のホエイを使ったアイデア。ホエイはチーズなどをつくる時に出る副産物で、京都府南丹市美山町にあるメーカーから活用方法を相談されていたのだ。元料理人の樹さんは、焼き菓子にホエイを使うことを思いつく。
「生地にホエイを使うと、乳酸の働きでふんわりと焼き上げることができるんです。また焼き菓子にはバターや牛乳などの乳製品を使うので、ホエイとの相性も間違いありません」。
ホエイは賞味期限が2週間と短く、独特の風味もあるが、焼き菓子にすれば良いところだけが残る。
樹さんにとって最大の課題は、カカオハスクとホエイをどう組み合わせるかということだった。
「どうしてもカカオハスクとホエイの両方を使いたかったので、カカオハスクの比率を変えて何十通りものレシピで試作をしました。また生地にカカオハスクを混ぜ込むだけでなく、ふりかけることでキャラメルのような風味を出すなど使い方を工夫したり。2つの相性を探るのがとても難しかったです」。
また無添加で身体に優しい味わいに仕上げることも、ブランドの大切なアイデンティティ。焼き菓子であってもバターや砂糖を使いすぎず、ホエイもうまく活かすことで、ほっと落ち着く素朴な味わいの焼き菓子が完成した。
無添加で一年間保存できる。3種の焼き菓子が完成

「日本茶に合う焼き菓子缶3種セット」は、カカオハスクとホエイでつくった「バウムクゥヘン」「フィナンシェ」「ラスク」の3種の焼き菓子がセットになったギフトセット。どれも甘さ控えめで、生地に混ぜ込んだカカオハスクのコクと香りがアクセントに。やさしい風味で、コーヒーよりも繊細な日本茶に合うということで「日本茶に合う焼き菓子」と命名された。

「京都バウムクゥヘン」は一つ一つ職人が手焼き。ほろほろとした生地はカカオの深い香りを感じる大人の味。日本茶はもちろん、洋酒にも合いそうだ。

「京都フィナンシェ」の生地はしっとり口に入れるとふわりとバターの香りが立ち上がる。カカオハスクのほろ苦さがアクセントに。バターの量を控えめにしてホエイを使うことで、ジューシーながらも優しい味わいに仕上げている。

「京都ラスク」はデニッシュ生地を二度焼きすることでザクザクの食感に。甘さとカカオの香ばしさ、ほろ苦さのバランスが絶妙。

うれしいのは缶に入っていることで、常温でも賞味期限が1年間もつこと。保存料なども使っていないので安心だ。アイコンであるキャラクター・カカオくんをモチーフにしたデザインは京都らしい和風テイストで、ちょっとしたギフトはもちろん、京都土産としてもおすすめできる。
「商品をロスしないことも私達には重要だったので、日持ちのしない焼き菓子商品をつくるなら缶にすることが大前提でした。急な来客のためにストックしておいたり、備蓄食糧としても活用できると思います。余計なものを使わずにつくっているので、多くの方に安心して食べていただけます」と、樹さん。
人にも地球にも優しいアップサイクル焼き菓子。樹さんのストーリーを添えて、今度の贈り物にしてみては。