HAPPYを紡ぐピーナッツバター
そうしたなか、地元の落花生でつくったピーナッツバターのブランドを立ち上げた若者たちがいる。その名も「HAPPY NUTS DAY」。今回は、「HAPPY NUTS DAY」がつくるピーナッツバターをご紹介する。
「HAPPY NUTS DAY」のピーナッツバターの、贈り物としてのおすすめポイントをご紹介しよう。
飾りたくなるパッケージデザイン
「HAPPY NUTS DAY」の“顔”ともいえるパッケージは、シンプルな瓶に白黒を基調としたデザイン。ロゴにもなっているピーナッツのイラストが可愛らしい。食卓をおしゃれに飾るデザインは贈り物にぴったり。オンラインストアではギフトパッケージなども用意してあるので、贈り物のシチュエーションによって選びたい。
朝食が楽しみになる味
口に含んだ瞬間、驚くほどに濃厚な落花生の香りが口いっぱいに広がっていく。まずは、そのままパンにたっぷりと塗って食べていただきたい。落花生、甜菜(てんさい)糖、塩というシンプルな素材をだけでつくられているため、落花生本来の香りとコクを楽しむことができる。落花生の触感が楽しめる粒ありと、クリーミーな触感の粒なしの2タイプがあるので、食べ比べてみて、自分好みの触感を見つけてほしい。
はじまりは、完全手づくりのピーナッツバター
「HAPPY NUTS DAY」のピーナッツバターはどのようにして生まれたのか、私たちは代表の中野剛さんにお話を伺った。
美味しいのに形が悪いために捨てられてしまう、「はねだし」と呼ばれる落花生がある。その「はねだし」を知り合いの農家さんから貰った中野さんは、仲間たちと一緒に、カセットコンロとフライパンを使って落花生を焙煎し、すり鉢で豆を挽いてピーナッツバターづくりをはじめた。
「最初は手書きのラベルを貼って、道の駅などの地元で販売をしていました。その後、お客さんの反応を参考に、材料やレシピの改良を重ねて、自分たちが最高に美味しいと思うピーナッツバターをつくったんです」。
中野さんは美術大学を卒業後、広告代理店でアートディレクターとして働いていたが、ピーナッツバターづくりに魅了され、ついには自身でブランドを立ち上げた。
ピーナッツバターは“朝食の時間”という一瞬以外は、インテリアとしてダイニングに置かれる時間が長いと考え、パッケージは“思わず飾りたくなるようなもの”をデザインしたという。やがてそのピーナッツバターの噂はSNSを中心に広まり、全国の取扱店でも販売をされるまでに成長した。
ピーナッツバターの原材料は、千葉県産の落花生を使用。熟練の焙煎職人が、目で豆の状態を見極め、日々の温度や湿度の変化に合わせ丁寧に焙煎している。あとは九十九里産の海塩と、北海道産の甜菜糖、材料はこれだけ。落花生に豊富に含まれる良質な油分が、すりつぶした際になめらかなペーストになるのだ。
市販されているピーナッツバターは落花生以外の油脂や香料などが使用されているものも多いが、「HAPPY NUTS DAY」のピーナッツバターは子供にも安心して食べられる素材のみでつくられている。
パンに塗るイメージの強いピーナッツバターだが、実はさまざまな料理にも調味料のような感覚で活用できるそうだ。
「ピーナッツバターを買ってくれたお客さんがいろいろな楽しみ方を生み出してくれています。たとえば、ピーナッツバター1、ポン酢3の割合でつくったタレは冷しゃぶにかけるとすごく美味しいですよ」。
日々、SNS上に寄せられるピーナッツバターを使った豊富なレシピに中野さんもたくさんのヒントを貰っている。そうしたヒントをもとに、ピーナッツバターの楽しみ方を紹介する書籍もつくった中野さん。ピーナッツバターのさまざまな楽しみ方を紹介するのも、贈り物として喜ばれるだろう。
愛情と想いを持って、つくり、伝える。
黄色い小さな落花生の花が咲く時期に、千葉県八街市にある「HAPPY NUTS DAY」の落花生畑を訪れた。
「落花生の花って、咲いた後に子房柄という部位に引っ張られて地面に潜り、実ができるから‟落花生“っていうんですよ」と、中野さんは落花生の名前の由来を教えてくれた。
もともとは落花生のことは何も知らなかったそうだが、愛情たっぷりに落花生を育てる生産者の方々と話をしているうちに、自身もどんどん愛着が沸いていったという。
「生産者の方々が、愛情たっぷりで育ててくれているから、ぼくらもその想いをもってピーナッツバターをつくり、お客さんに届けたいんです」
「HAPPY NUTS DAY」では落花生の農業体験のスクールを実施したり、九十九里の廃校を利用した地域活性化などにも取り組んでいる。その様子はSNSで発信され、いまもなおファンを増やし続けている。
また、最近ではオンラインストアの商品発送業務を千葉県内の障がい者施設に委託。字がうまく書けなかった施設の人たちが、一生懸命練習をして「ありがとう」と書けるようになり、いまでは発送する商品の梱包一つひとつに「ありがとうございました」のメッセージと、スマイルマークなどのイラストを手書きで書いてくれるのだそう。
「時代の変化に合わせて、商品も、その伝え方も変化していかなくてはならないと思うんです。僕たちの取り組みが、少しでも落花生農業や地域を盛り上げていけたらいいなと思っています」。
中野さんの想いはピーナッツバターづくりに留まることなく、これからも続いていきそうだ。
たくさんのHAPPYの連鎖でつくりだされるピーナッツバターをぜひ味わってみてほしい。