悩める生産者たちの強い味方「アップサイクルおやつプロジェクト」

「おやつと世界を面白く。」を理念に掲げるスナックミー。2016年より、オリジナルのおやつを定期的に届けるサブスクリプションサービス「snaq.me」を展開しています。

おやつのラインナップは、およそ100種類。安心・安全のために極力添加物を控え、素材の味を活かすことを重視しています。商品開発を進めていくなかで、提携している生産者も200軒を超えました。

「サービスを正式リリースしてからの7年間で2300個以上のおやつを開発しています。2022年には江東区の清澄白川に常設直営店をオープンしました」

そう話すのは、広報担当の草野朱音さん。現在、「snaq.me」の会員数は15万人（※2022年8月までの累計）を超えており、その多くが女性なのだそうです。

スナックミーは、おやつの定期便以外に「アップサイクルおやつプロジェクト」も展開中。廃棄予定の野菜や果実を使ったおやつを開発して、フードロス軽減を目指しています。食材をただ再利用するのではなく、新たな価値を与える――。「アップサイクル」には、そんな思いが込められています。

「アップサイクルおやつ」第一弾の「Up Granola」は、規格外扱いのオーツ麦、カシューナッツ、ドライパインなどに蜂蜜と白ごま油を加えて、ローストした一品。そのまま食べてよし、ミルクをかけて食べてもよし。楽しみ方は自在です。

草野さんが「とくに印象が残っているおやつ」と、話すのが、「Upグレープケーキ」です。2021年8月に福岡県で起きた豪雨災害によって、うきは市産のぶどうが行き場を失うことに。「snaq.me」の会員を通じて、その現状を知ったスナックミーは、即座に救済策に動きます。仲介者を経て、生産者に廃棄予定のぶどうを使ったおやつの開発を打診。こうして生まれたのが「Upグレープケーキ」なのです。

スナックミーは、　そのほかにも様々な「アップサイクルおやつ」を開発しています。その一部を紹介します。

＜アップサイクル　ストロベリーとカスタードのパイ＞
「ゆめのか」「さがほのか」といった規格外扱いになった宮崎県産のいちごを使用。いちごの程よい酸味とカスタードクリームの甘さが絶妙にマッチします。

＜アップサイクル いちごミルクの素 飲み比べ＞
いちごの甘みを凝縮した「ストロベリーソース」と、それにラズベリーを加えた「ダブルベリーソース」のセット。牛乳で割ると美味しいいちごミルクが完成します。こちらも規格外の宮崎県産「ゆめのか」「さがほのか」を使っています。

＜Upパイナップルケーキ＞
こちらは、割れたりかけたりしたパインをドライフルーツにした「プレミアムドライパイン」をアップサイクル。ドライパインと種子島産さとうきびから作られた粗製糖「洗双糖（せんそうとう）」と煮詰めたパインジャムをココナッツがほんのり香る生地で包み、焼き上げました。

＜Upさつまいも琥珀糖＞
干し芋の製造過程でどうしても出てしまうのが、さつまいもの切れ端。本来は廃棄されるものですが、スナックミーは琥珀糖の材料に活用。外はシャリッと、中はもちっとした食感が楽しめます。

「アップサイクルおやつ」の多くは、予測不可能なタイミングで開発がはじまり、素材が悪くならないうちに短期間で商品化する必要があります。なぜなら、グレープケーキのケースからもわかるように、予期せぬ理由で廃棄予定になる食材が少なくないためです。「食べた方が気づかないうちにフードロス軽減に貢献していた、というのが理想」と、草野さん。また通常の定期便商品の中には、余ったsnaq.me のおやつを、福祉施設や児童養護施設の子どもたちに寄付できる返品用封筒が同封されています。

スナックミーはこれからも行き場を失った食材や食品に新たな価値を与え続けます。