香り立つのは本流の風味「木頭ゆず 寒さば缶」
今回はそんな木頭地区で、木頭ゆずの加工品を数多く手がける株式会社黄金の村がつくる「木頭ゆず 寒さば缶2種セット」をご紹介しよう。
黄金の村の「木頭ゆず 寒さば缶2種セット」について、おすすめポイントをご紹介しよう。
全国の本ゆずの本源、木頭ゆずを使用
「桃栗3年、柿8年、ゆずの大馬鹿18年」ともいわれ、かつては実がなるまでに18年を要したというゆずは、木頭果樹研究会によって3~5年で実るよう改良された。その後、その色の良さ、香りの高さ、酸味が強いことから、全国のゆず産地で栽培されるようになった。
「木頭ゆず 寒さば缶」では、さばや味噌、オリーブオイルの強い風味に負けないゆずの香りが口いっぱいに広がる。
特別栽培したゆずを、収穫から24時間以内に手搾り
黄金の村の加工商品はすべて、栽培期間中に農薬・化学肥料を使用しない特別栽培の木頭ゆずを使用している。またフレッシュな香りと豊かな酸味を残すため、収穫から24時間以内に手搾りしている。また、使用するさばも国産のさばを選ぶなど、こだわりがつまっている。
多様なアレンジレシピの可能性を持つ
さば缶のアレンジレシピは多く知られているが、そこにゆずの風味が加わると、一味違ったアレンジが楽しめる。実際に「寒さば 木頭ゆず味噌煮」と「寒さば きとうゆずしおオリーブオイル漬け」を食してみると、パスタやおにぎりの具材や、身を潰してバーニャカウダ風に、オイルだけを使ってパンと共に、など様々なアイデアが次々と生まれる。
木頭に住む人だけが知る、地域独自の美味しい食べ方
「この『木頭ゆず 寒さば缶』は、木頭にもとからあるゆずの食べ方がヒントになっているんです」と、開発秘話を教えてくれたのは、黄金の村の神代晃滋さん。
ゆずの中身をくり抜き、そこに缶詰のさばを入れ、ゆず果汁をたっぷりとかけ、味噌をつけて焼くという食べ方が木頭地区にはもともとあったという。その食べ方を再現するため、「木頭ゆず 寒さば缶」のさばは表面に焼き目がついていて、ほんのり香ばしさが感じられる。
「『木頭ゆず 寒さば缶』はそんな木頭独自の食文化からヒントを得て、さばゆず味噌煮として商品開発がすすめられました。現在ではオリーブオイル漬け、水煮、トマト煮といった新たな商品も生まれています。ゆずの栽培から加工まで、一貫して気を付けているのは“ちゃんと木頭ゆずの魅力が伝わるか”。そのため、ゆずのほろ苦く鼻に抜けるようなすっきりとした酸味に絶妙にマッチする、脂がのって身が柔らかいさばを使用しています。最終的には、11~2月の寒い時期に千葉県の銚子港で水揚げされる寒さばにたどり着きました」と、神代さん。
そんな木頭ゆずの魅力を味わう、「寒さば きとうゆずしおオリーブオイル漬け」を使ったおすすめレシピを紹介したい。
木頭ゆずでもう一度、地域をおこす
木頭ゆず 寒さば缶」を製造・販売する株式会社黄金の村は、創業者の藤田恭嗣さんが「木頭をゆずで黄金の村にしたい」という亡き父の想いを受け継いで創業した。
木頭ゆずの特長である見ための美しさと香り、酸味の強さは、木頭地区の恵まれた環境によって生み出されている。木頭地区は西日本で2番目に高い山「剣山(つるぎさん)」の南麓に位置する自然豊かな森林の中山間地域だ。その標高の高さと冷涼な気象条件によって、木頭ゆずの特長である鮮やかな色合いや香りの高さが生まれ、降水量の多さによって果皮障害の発症が軽減して、凹凸のないつややかな見ための美しさが生まれている。
ゆず栽培に適した風土である木頭地区は、2017年に農林水産省から地理的表示保護制度であるGIマークを取得し、日本を代表するゆずの産地として知られるようになった。しかしゆず栽培に適した、恵まれた環境であることは、同時に欠点もあわせ持つ。非効率な要素が多い中山間地域の農業は大量生産に対応できない。さらに、木頭地区は過疎化も深刻な問題になっていた。
そうした生産量が限られるなか、付加価値をどうにかして高めたいと、黄金の村はゆずの加工商品の開発に取り組み、現在30種類以上の商品を製造・販売している。こうした取り組みはゆずの価格安定につながり、木頭地区は再び活気づいてきているという。
さらに2020年からはフランス国立農業研究所の協力により、フランスで純日本産ゆずの製造植え付けを開始する予定だという。フランスでは、EU産が市場を席巻しつつあるというが、「日本のゆずが世界で負けないように、世界レベルの栽培を行うことを使命だと思って頑張っています」と、神代さんはいう。
“美しい大地と木頭ゆずの香りで、世界中の人々を感動させる奇跡の村を創る”、黄金の村の企業理念にも掲げられる創業当時からのこの想いは、日本国内のみならず、世界まで届きそうだ。