田園風景を未来につなぐ「パン豆」
※デザインは時期によって変更となる場合があります。
ひなのやの「パン豆」の贈り物としてのおすすめポイントをご紹介しよう。
季節や好みで選べる多様なフレーバー
サクサクとした食感に、多彩なフレーバーが嬉しい、ひなのやの「パン豆」。通年商品のキャラメルナッツ、伊予柑、玄米きび砂糖、醤油、甘塩に加えて、季節限定品ではチョコ、苺チョコ、グリーンティ、シナモンシュガーとくるみなど。贈る相手の好みや、季節に合わせて選ぶのが楽しくなるラインナップだ。
美しい田園風景を描いたギフトパッケージ
SHUNGATE編集部でも好評だったのが、どこか懐かしく、そして洗練されたイラストをあしらったギフト用の包装紙。愛媛県松山市在住のsun and snowというテキスタイル作家が描いたという包装紙は、地元西条市の風景をイメージした「青い風光」という柄。贈り物を購入する際には、是非、ひなのやの直営店(オンラインショップまたは壬生川駅前店)で注文をしてこのオリジナルデザインの包装紙に包んでいただきたい。
田園風景の中で生まれる優しいお菓子
日本名水百選にも選ばれた石鎚山(いしづちさん)からの豊かな伏流水の恵みをうける愛媛県西条市丹原町にひなのやはある。
瀬戸内地域は降水量が少ない気候であるが、ここは豊富で良質な湧き水に支えられ昔から米づくりが盛んな地域だ。夏になると、生命力溢れる稲が緑色に景色を染め、また、秋には黄金色に実った稲が収穫される。そんな田園風景が広がるこの土地で「パン豆」はどのように作られているのか。ひなのや代表の玉井大蔵さんにお話を伺った。
「柿畑の裏に、ひいばあちゃんが住んでいた空き家があって、そこに1台のポン菓子機を持ち込んで、『パン豆』をつくりはじめました。米に圧力をかけて爆発させてつくるのですが、大きな音を立ててもあまり迷惑にならないのは田舎ならではかもしれません」。
米は地元の契約農家で栽培したものだけを使用。品種は愛媛独自の「松山三井」という日本酒づくりに使われるもので、ふっくらと大粒なのが特長。米の鮮度にもこだわっており、毎年その年の新米を、精米から3日以内にポンしてつくる。工程がシンプルなだけに、材料となる米には強いこだわりを持っていると玉井さんはいう。
実際に「パン豆」を食べてみると、サクッと軽い食感とともに、ほんのりと優しく米の甘さを感じる。ポン菓子の懐かしさと、様々なフレーバーの新しさを楽しめ、手が止まらない。玉井さんに「パン豆」のおすすめの楽しみ方を教えていただいた。
「キャラメルナッツはコーヒーとよく合います。そのほかのフレーバーは紅茶や緑茶などとの相性がいいので、ティータイムに楽しんでいただけたら。あとは、牛乳などをかけてシリアルのように食べるのもおすすめですよ」。
一番の人気は伊予柑。地元愛媛県産の伊予柑をピールにしたものをポン菓子に混ぜ込み、さわやかな柑橘の香りが楽しめる。季節限定のフレーバーも用意しており、新しいフレーバーも次々と追加されているため、リピーターも多いそうだ。
「わが子のおやつを手づくりする母親のような気持で、ひとつひとつ丁寧につくっています」と、玉井さん。
その想いは「パン豆」の優しい味わいとなり、子供から大人まで多くのファンを生み出している。
地元の伝統と良質な米に支えられた商品づくり
元々はメーカーで営業職をしていた玉井さんだが、28歳のころにUターンして家業の農業機械販売を継いだ。しかし、そこで直面したのは農家の後継者不足や、米の価格の低迷という状況。農家の経営が良くならないと農業機械販売に影響をあたえるだけでなく、この丹原町の田園風景が失われてしまう、と危機感を感じたという。そうした状況を打破するために、顧客農家がつくる良質な米を使った加工品づくりに着手したのが「パン豆」のはじまりだという。
当初はおにぎりや餅などの製造販売をおこなったが、賞味期限が短く廃棄となってしまうなど、食品製造販売の経験不足から事業はなかなかうまくいかなかった玉井さん。そんな状況のなか、ある時知人に「ポン菓子でも作ってみたら?」と勧められたという。
「最初はそんな古臭いお菓子売れるわけないやろ、と半信半疑でしたが、試しに地元の産直広場に並べたら意外と売れましてね」と、玉井さん。
こうして2010年から、本格的に「パン豆」の製造販売をはじめた。より多くの人に商品を手に取ってもらえるようパッケージにもこだわった。ポン菓子特有のほっとする懐かしさを感じさせながらも、都会の若い世代にも受け入れられるようなデザインを採用。またギフト用の包装紙もオリジナルの2種類を用意。愛媛の手土産として親しんでもらえるよう県内の魅力をイラストで描き起こしたものや、豊かな自然をモチーフにしたデザインがあり、どちらも非常に人気だという。
また、愛媛県東予地域では古くより結婚式の引き出物にパン豆を縁起物として送る習慣がある。米や砂糖がまだ貴重であった時代に、嫁入りの際に「元気にまめに暮らしてほしい」と願いを込めて米菓子を持たせたという。このような地域の伝統や風習も後押しとなって、「ほかの地域の知人に、地元の文化をセンス良く紹介できるのがとてもうれしい」と、引き出物としての需要も高いそうだ。
「丹原町は生まれ育った故郷ですが、正直、他の地域と比べて特別景観が素晴らしいとか、有名な特産品があるとか、観光客が多いとか、そういった特色があまりない場所です。どこにでもある田舎町です。子供の頃はそれが嫌でしたが、そのなんの変哲もない風景にこそ価値があると今は感じています。その風景を後世に残していくために、地域資源である米に軸を置いて、この土地の新たな価値の創造をしていきたいと考えています」と、玉井さんは語る。
故郷の愛する景色を未来へ残していきたい、という玉井さんの優しく熱い想いを込めた「パン豆」。そんな素敵なストーリーを添えて、大切な人とのお茶の時間のお供にしたり、贈り物にしてみてはいかがだろうか。