“尾道にしかない”本格チョコレート
*デザインは時期によって変更の場合がございます。
このチョコレートは、瀬戸内海に面する歴史ある街、広島県尾道市の社会福祉施設・尾道さつき作業所で誕生した。厳選した材料を使い、手間を惜しまずに作られた本格チョコレートは、地元の想いが詰まった尾道ならではの一品だ。
パッケージ、品質ともに洗練された「BARQUE CHOCOLATE」は、子どもから大人まで幅広い年代への贈り物におすすめしたい。
「BARQUE CHOCOLATE」の贈り物としてのおすすめポイントをご紹介しよう。
すべて手作業「Bean to Bar」の品質
「BARQUE CHOCOLATE」は、「Bean to Bar」というカカオ豆の状態から板チョコになるまでの全ての行程を一つの場所で、一貫しておこなう製法で作られている。そのため、カカオ豆の状態に合った焙煎温度や時間の調整が可能であり、さらには不要な殻を手作業で取り除くことができることから、雑味のないカカオ本来の深い味わいと香りを楽しめる。
地元「尾道」産にこだわった柑橘ピール
分厚い板チョコレートをかじると、濃厚なカカオ豆の香りと共に、柑橘のピールの風味がふわっと口に広がる。瀬戸内海に面する尾道は温暖少雨な気候であることから、伊予柑(いよかん)、不知火(しらぬい)などの様々な柑橘の栽培が盛んにおこなわれている。そんな地元産にこだわった“旬”の柑橘を使用した「BARQUE CHOCOLATE」は、尾道土産としても支持されている。
色彩豊かなパッケージデザイン
ひと際目を引くカラフルなパッケージデザインは、社会福祉施設利用者の障がいのある方たちが描く、柑橘やカカオを題材にしたイラストを採用している。ついとっておきたくなるデザイン性を持つスリーブ箱は、チョコレートを食べ終わった後、ブックカバーとしても二次利用することもできるように設計されている。
品質で選ばれる、理想のストーリーを描いて
「BARQUE CHOCOLATE」はどのようにして生まれたのか、私たちは尾道さつき作業所の岡田朋樹さんにお話を伺った。
尾道さつき作業所の母体である社会福祉法人尾道さつき会は、1978年に地域での生活を願う障がいのある方やその保護者、教育関係者等の熱意によって開設された。その後、1983年に尾道市久山田町に尾道さつき作業所を構え、現在では食品作業や委託清掃作業などをおこない、仕事を通して誰もが社会参加できるように支援している。
「作業所では約20年前からパンやクッキーの製造、販売をしていました。そんな私たちが『BARQUE CHOCOLATE』を製造するきっかけは、複合施設『ONOMICHI U2』のグループ会社ディスカバーリンクせとうちカンパニーからの商品開発の依頼でした」。
ONOMICHI U2は、2014年に尾道の歴史ある海運倉庫を改修しオープンした宿泊施設と商業施設の機能を擁する複合施設。その依頼内容は、ONOMICHI U2で販売する“商品価値の高いチョコレート”開発であった。
依頼に応えるため、尾道さつき作業所では品質にこだわったチョコレートの商品開発が始まった。そして辿り着いたのが、豆の状態から板チョコになるまでの全ての工程を自分たちでおこなう「Bean to Bar」という製法であったのだ。
「板チョコを単に溶かして形成する商品ではなく、Bean to Barという本格的なチョコレート作りに挑戦したのは、福祉施設でも企業に負けない商品作りができることを知ってもらいたいという強い想いがあります。私たちは、福祉施設で作っているからという理由で購入してもらうのではなく、品質で選んでもらうことを目指しています」と、岡田さんは語る。
しかし、チョコレート作りの経験がなかった尾道さつき作業所にとって商品化に至るまでは苦労の連続だった。
「まずは専門家の指導のもと知識と技術の習得から始めましたが、一連の行程を習得するまではなかなか商品として売り出すことができませんでした。また、施設利用者が関われる作業行程を作り、支援の方法を模索することも同時におこなう必要もあり、乗り越えなければならない課題は多くありました」と、岡田さんは当時を振り返る。
ONOMICHI U2の開発担当者と試行錯誤し、店頭に並ぶ商品になるまでに長い時間を要し、ようやく完成したのが「BARQUE CHOCOLATE」だ。
自分たちの環境を生かした独自性の追求
完成まで苦労の連続だった「BARQUE CHOCOLATE」だが、尾道さつき作業所だからこその利点もあった。
手作業の殻剥きなどはとても根気のいる作業だが、重度の障がいのある施設利用者も関われる行程であり、根気のいる作業を継続しておこなえるという施設利用者の強みともマッチングした。
パッケージデザインは、施設利用者に柑橘やカカオを題材に絵を描いてもらい、それをデザイナーが最終調整を施し商品コンセプトにあったデザインに仕上げた。
「施設利用者の方たちは、私たちでは想像もつかない発想でパッケージの原画となるイラストを描いてくれます。そうして生まれた『BARQUE CHOCOLATE』の個性的なパッケージは、お客さまが商品を手に取ってくれる一つの要因ともなっています」。
パッケージデザインに採用された原画を描いた施設利用者にとっては、この経験が自信になり、誇りとなる。ONOMICHI U2の開発担当者と、利用者の能力を社会に発信したい施設職員の想いが生んだ結果だ。
また、「BARQUE CHOCOLATE」には尾道産の柑橘のピールを入れることにもこだわった。
「商品価値にこだわった結果、地元産の柑橘を使用したいという想いは強く、尾道の柑橘生産者や青果市場に仕入れを相談しました。こうした地元との繋がりは、原材料の供給面だけではなく、私たち福祉施設の取り組みの理解者となっていただくことにつながり、貴重な財産となっています」と、岡田さんはいう。
いまでは「BARQUE CHOCOLATE」は、ONOMICHI U2の人気商品の一つにまで成長。冬から春に作る同シリーズ「ひとくちチョコレート」は、その販売スタートを待ち望む人たちが全国にいるほどだ。
販売をおこなうONOMICHI U2/Butti Bakeryの眞鍋美紀さんにお話を伺った。
「『BARQUE CHOCOLATE』を形にするまで、試行錯誤を重ね、多くのことに挑戦しながら、共同開発をおこなってきました。“良いものをつくりたい”という強い想いがあるからこそ完成した商品です。時として現実の厳しさを知ることもありましたが、それを乗り越えて、携わるすべての人が“ものづくり”の喜びや楽しさを学んできました。共に成長していけるような商品作りをこれからも継続しておこなっていきたいです」。
岡田さんはこれからの課題を、“生産性の向上”と話す。商品を気に入ってくれた方から「自分の店舗でも『BARQUE CHOCOLATE』を取り扱いたい」という問い合わせもあり、その想いに応えたいというのだ。
フランス語で小舟を意味する「BARQUE」。波や風を受けながらも、地元の人の想いと願いを乗せた小さなチョコレートの小舟の航海は、大海原に向かって続いていく。