品格漂う、専門店の甘栗

林万昌堂 木箱入り甘栗
品格漂う、専門店の甘栗
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パッケージ

※デザインは時期によって変更となる場合があります。

徐々に茶色く色づき地面にころがる毬(いが)、食卓にのぼる栗ごはん。秋の到来を実感する食材は様々あるが、「栗」もその代表格のひとつと言えるだろう。京都で大正時代から長年愛されてきた甘栗専門店「林万昌堂」でも、熟成させ甘みを増した新栗の「甘栗」が出されるのがこの季節だ。

今回は「林万昌堂」の甘栗商品のなかでも、贈り物に最適な「木箱入り甘栗」をご紹介しよう。

「木箱入り甘栗」の、贈り物としてのおすすめポイント

木箱入り甘栗

品格も品質も保つ桐の木箱

高級感あふれる白木の桐箱に入った甘栗。桐材の風合いが贈り物としての品格を高めるのに加え、品質を保つことにも役立っている。通常の甘栗の賞味期限は焼き上げてから3日以内だが、桐材の木箱は気密性が高いため酸化しにくく、賞味期限が5日間に設定されている。

木箱入り甘栗

産地で見て確かめる、こだわりの栗

糖度が高く美味しいといわれる中国河北省の栗のなかでも、青龍満族自治県産の栗は更に「砂糖のように甘い」と表現されるほど糖度が高いのが特長。「林万昌堂」では産地に足を運び、良い栗を選別し直接交渉を行なうことで高品質の栗を買い付けている。

木箱入り甘栗

じっくり、メリハリを利かせた職人技の焼成

鬼皮で覆われ、中の実の焼け具合を直接目視できない栗の焼成は、経験がものをいう職人技。

釜から立ち上る煙の様子や小石の状態、音で温度調整を行ない、じっくり且つメリハリの利いた加熱で、柔らかさを残したまま栗本来の美味しさを引き出している。

栗と向き合い続ける専門店の奮励

くわいや武兵衛

「林万昌堂」の原点は明治7年(1874年)創業の慈姑(くわい)の専門店「くわいや武兵衛(ぶへえ)」。大正時代に入ると日本に初めて甘栗が輸入され、慈姑に似た食感やこれまでに無い商品性に魅力を感じ、取り扱うようになった。当時、外国からの輸入商品は貴重で数量も少なく、商社や卸業者で買い占められていたため高値の仕入れで苦労もしたが、美味しさと物珍しさで販売は好調。以来、甘栗の専門店として京都で長く愛されてきた。第二次世界大戦や日中国交断絶など栗の輸入が出来ない危機的な時期は、丹波栗を蒸かすなどして栗の販売を維持してきた。

くわいや武兵衛

すっかり日本の食文化に定着した甘栗だが、2002年に中国がWTOに加盟し自由に輸入ができるようになると、甘栗のお菓子が大量に販売されたり、甘栗とは全く関係のない中国産農作物の残留農薬問題の風評被害などで、市場規模は最盛期より縮小してしまっているという。

くわいや武兵衛

「当店は先代からの『疑わしきは使用せず』の方針のもと、産地に直接足を運び交渉を行なうことで良い栗を確保し、選別に細心の注意を払っているため品質には自信を持っています。長年にわたり培われた職人の技法で丹念に焼成し、店頭の栗は常に焼きたての温かい美味しい商品揃えに徹することで、お客様に信用を頂き長年ご愛顧をいただいていると思います」と、四代目代表の林 雅彦さんが、逆境のなかでも「林万昌堂」が愛される理由を話してくれた。

くわいや武兵衛

近年では、世の中の変化に合わせ新しい甘栗商品も生み出している。夏場の暑い時期でも甘栗を美味しく食べられるよう、栗を濃厚なバニラアイスに練り込んだ「栗あいす」や、剥いた甘栗をフリーズドライ加工しチョコレートでコーティングした「チョコマロン」(※2018年11月現在販売休止中)、選別した際にはじかれた栗を無駄なく使うため炭にして消臭剤として売り出した「栗炭(くりたん)」など。

くわいや武兵衛

数年かけ試行錯誤を重ね、ようやく世に出した商品ばかりだ。市場規模の縮小を嘆くだけではなく、栗と真摯に向き合い魅力を引き出すことで道を切り拓いてきた。

こだわりの詰まった縁起のよい贈り物

縁起のよい贈り物

甘栗自体は中国生まれの食べ物だが、日本にも平安時代に「蘇甘栗の使(そあまぐりのつかい)」という、宴の際に天皇から蘇と甘栗を届ける役職があったように、昔から貴重な贈り物のひとつとして定着していた。現代でも「勝栗」といわれるように縁起もよいため、贈答品として慶弔、年齢、性別を問わず選ばれているという。

多種多様な菓子であふれる現代においては、甘栗はかなり自然で素朴、健康的な菓子だと言えるだろう。人工的な味付けや加工が出来ない分、素材や焼成の繊細なこだわりが直に品質に出る。林さんに栗を仕入れる際のポイントをお聞きした。

縁起のよい贈り物

「甘栗の原材料となる『渋皮の剥ける栗』は北半球の北緯40度帯に世界的に分布しています。その中でも中国河北省の栗は糖度が高く美味しい。さらにその河北省の栗産地の中でも青龍満族自治県産の栗は『砂糖のように甘い』と表現されるほど糖度が高いのが特長です。ミネラル分を多く含んだ水はけの良い土質や、寒暖差が大きく降水量が程よく少ない気候などの理由もありますが、一番大事なのは生産者の栗を取り扱う姿勢です。いくら良い品種の農作物であっても、未熟な状態で収穫すれば旨みは半減します。そのあたりを見極めながら仕入れをおこなっています」。

縁起のよい贈り物

「林万昌堂」の甘栗の包装紙には「河北栗子」と書かれているが、「河北」は産地の河北省、「栗子」は中国語で甘栗を指している。一般的には「天津甘栗」と呼ばれることが多いが、天津は栗の産地ではなく輸出港の名称。「河北栗子」という言葉からも産地にこだわる姿勢が見て取れる。

栗は年に1回、秋に収穫される。10月中旬頃の収穫直後の新栗の時期は栗本来の香りが強く、11月頃になると更に甘みが増して熟成が進むそう。甘栗の美味しいこの季節、大切な方への贈り物に選んでみてはいかがだろうか。

Writer : YOKO AOYAGI
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Photographer : CHIE MARUYAMA

有限会社 林万昌堂

所在地 京都市下京区四条通寺町東入ル御旅宮本町三番地
TEL 075-221-0258
FAX 075-256-5767
URL https://www.hayashi-mansyodo.jp/

※こちらの情報は取材時のものです。最新の情報は各店舗にお問い合わせください。

林万昌堂 四条本店

林万昌堂 四条本店
所在地 京都市下京区四条通寺町東入ル御旅宮本町3番地
TEL 075-221-0258
定休日 元旦
営業時間 10:00~20:00 ※12月31日のみ21時閉店

※こちらの情報は取材時のものです。最新の情報は各店舗にお問い合わせください。

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