料理人が奏でる“旬”の魅力 ―フレンチシェフ 北岡飛鳥
今回はフレンチシェフの北岡飛鳥さんに、春の訪れを感じるこの時期に“旬”を迎える熊本県菊池市の「水田ごぼう」を使い、家庭でもチャレンジできる新たな楽しみ方を紹介していただいた。
熊本県菊池市の「水田ごぼう」
阿蘇山系の山々に囲まれた熊本県菊池市は阿蘇山に降った雨が伏流水となって流れ出る菊池川の豊かな水に恵まれた地域。こうした自然の恩恵をうける菊池市で、おいしく育つ野菜の一つが「水田ごぼう」と称されるごぼうだ。
「水田ごぼう」は、水田で米を収穫したあとの裏作として栽培されている。清涼な菊池川の水で育つ「水田ごぼう」はアクが少なく、繊維質が柔らかい。また、香り豊かな特長を持つ「水田ごぼう」は「ごぼう茶」の素材としても菊池市では重宝されている。
北岡シェフが作る「水田ごぼう」のブランマンジェ
“旬”を迎えた菊池市の「水田ごぼう」を使った料理を作ってくれたのが、フレンチシェフの北岡飛鳥さん。
中学校卒業後に料理の世界に入り、東京都内の一流レストランや高級ホテル、さらには、フランスをはじめとした海外のレストランで腕を磨いた後、現在は東京・大手町にある人気レストラン「ラ・カンパーニュ」のシェフとして、日本各地の“旬”食材を使ったフランス料理を提供している。
普段から菊池市の野菜をよく使用しているという北岡シェフ。「水田ごぼう」の魅力については、「普通のごぼうと違ってエグみが非常に少なく、柔らかいですね。実際にとれたてのものだとフルーツのような甘みや下味がします」と説明してくれた。
今回、北岡シェフが「水田ごぼう」を使って作る料理は、フランス料理のデザートの定番であるブランマンジェ。「綺麗な水で育った『水田ごぼう』は、エグみやアクが少ないため、デザートの素材として使っても相性が良いです」と北岡シェフ。
「水田ごぼう」と「ごぼう茶」を使ってアレンジした「ごぼう茶のブランマンジェ」と、「水田ごぼうのコンポート」を、家庭でもできる作り方とポイントと合わせて教えてくれたので、ぜひチャレンジしてもらいたい。
スタジオに漂うごぼうの香りと、上品な味
東京都内のキッチンスタジオで一般参加者を招き、北岡シェフの菊池食材を使ったデモンストレーションを開催した。
北岡シェフが作った「ごぼう茶のブランマンジェ」を試食した参加者からは、「なめらかな食感と『水田ごぼう』の香りが豊かで美味しい」、「はじめは意外な組み合わせだと思ったけど食べてみると、とても上品な味だった」、「早く家でも試してみたい」との感想が多く寄せられた。