琵琶湖湖畔の贈り物を食す

郷土料理写真
日本最大の湖である琵琶湖を中心に、個性ある食文化が形成されてきた滋賀県。

琵琶湖で獲れる「湖魚」とよばれる淡水魚を保存食として加工して食べる食文化が古くから発達し、有名なものではビワマスのマス寿司などが知られている。また、豊富な水源である琵琶湖周辺では、野菜、豆、芋の栽培が盛んにおこなわれている。畜産では、約400年の伝統がある近江牛が日本三大和牛のひとつに数えられるなど、湖畔ならではの豊かな自然から生み出される多くの食材がある。

今回は、伝統の食材などを通じて滋賀独自の食文化の魅力を伝えるとともに、それらの食材を実際に使ったおすすめのレシピをあわせて紹介していく。

日野菜

滋賀の食材① 日野菜

日野菜はかぶの仲間で、滋賀の伝統野菜である。辛味と苦みをほど良く含んだ味わいが特長。上部が赤紫色、下が白く色が分かれており、茎や葉脈も鮮やかな赤紫色だ。甘酢などに漬けたとき、淡いピンク色を出すことから「桜漬け」と呼ばれて親しまれてきた。

近江しゃも

滋賀の食材② 近江しゃも

滋賀県畜産技術センターで三元交配により生み出された滋賀県特産の地鶏。一般的な鶏の約3倍の時間をかけて、豊かな緑と水に恵まれた近江の自然の中でのびのびと飼育されている。コリコリと適度な弾力で歯ざわりが良く、旨みとコクがあり風味が豊かな肉質が特長。

★ おすすめレシピ

近江しゃものディアボラ 日野菜添え

近江しゃもの肉の旨みを最大限に味わってもらえるよう、味つけはシンプルにしてその魅力を引き出す一品。付け合わせには日野菜を添えて彩りも鮮やかな一皿。

滋賀の食材③ 琵琶湖八珍

滋賀の食材③ 琵琶湖八珍

季節によって、さまざまな“旬”の湖魚が水揚げされる琵琶湖。そのなかでも、特徴的な魚介類8種類のことを「琵琶湖八珍」と呼び、ビワマス、ニゴロブナ、ホンモロコ、イサザ、ゴリ、コアユ、スジエビ、ハスが選定されている。

※写真はスジエビとホンモロコ。

滋賀の食材④ 丁字麩(ちょうじふ)

滋賀の食材④ 丁字麩(ちょうじふ)

滋賀で販売されている麩の大半が「丁字麩」と書かれている。
一般的には丸い麩が多いなか、角形の見栄えが特長的な「丁字麩」。その由来は、栄養面で優れていた麩が重宝されていた戦国時代に、丸い麩は持ち運びに適していないため、近江八幡の街並みを模して角型になったといわれている。

滋賀の食材⑤ 赤こんにゃく

滋賀の食材⑤ 赤こんにゃく

滋賀県近江八幡を中心に伝統食品として古くから食されてきた。なぜ赤いのかは諸説あり、織田信長が赤く染めたという逸話や、近江商人が売り歩く際に他の商品との差別化を図り赤くしたという説がある。この赤色の原料は三二酸化鉄(さんにさんかてつ)という食品添加物で、赤色を出す以外に食物繊維やカルシウムなどの栄養も豊富に含んでいる。

琵琶湖八珍2種と丁字麩と赤こんにゃくのじゅんじゅん

★ おすすめレシピ

琵琶湖八珍2種と丁字麩と赤こんにゃくのじゅんじゅん

琵琶湖付近では食材を煮込む音が「じゅんじゅん」と聞こえたことに由来して、すき焼きのことを「じゅんじゅん」とういう。牛肉ではなく、なまずや鯉、いさざなど琵琶湖でとれる湖魚を使用することが特長。今回は「琵琶湖八珍」のモロコとスジエビを使ったレシピを紹介。

滋賀の食材⑥ 政所平番茶

滋賀の食材⑥ 政所平番茶

琵琶湖の源流である奥永源寺地域で、室町時代から600年以上に渡り、代々守り継がれてきた茶の品種。ほとんどの茶樹が在来品種で、農薬や化学肥料を使わず栽培されている。厳しい冬を越して成熟した硬めの葉を春先に刈り取り、大きな木桶でじっくり蒸しあげて乾燥させ、半年間熟成させる「伝統桶蒸し製法」でつくられた特有の番茶は、上品な渋みとクセのない味わいだ。

焼鯖茶漬け

★ おすすめレシピ

焼鯖茶漬け

「鯖」などの海産物や物資が運ばれていた若狭から京都へと至る多数の街道を、総称して「鯖街道」と呼ぶようになった。 その街道にちなみ、鯖と政所平番茶を使用したさっぱりとしたお茶漬けをご紹介。

滋賀の食材⑦ 近江牛

滋賀の食材⑦ 近江牛

近江牛は、滋賀の自然のなかで飼育された黒毛和種の和牛。約400年の歴史があり、日本で最も歴史のある和牛といわれている。きめ細かな霜降りと、甘くて口の中でとろける脂、芳醇な香りとやわらかな肉質が特長。

3種のお肉の贅沢焼肉丼

★ おすすめレシピ

3種のお肉の贅沢焼肉丼

近江牛、近江黒鶏、豚の3種の肉を、それぞれ一番美味しい焼き加減で焼き上げ、一つの丼に豪快に盛り付け。そのまま食べても良し、特製のタレをかけて食べても楽しめる贅沢な一品をご紹介。

「小石川テラス」×「SHUN GATE」が提供する滋賀食材

小石川テラス写真

今回紹介したレシピを作ってくれたのは東京都文京区にある全国の伝統野菜を扱うレストラン「小石川テラス」の君島シェフ。

今回紹介した滋賀の食材を使ったメニューは「小石川テラス」×「SHUNGATE」のコラボレーション企画として、2017年10月23日~11月3日までの2週間、週ごとにラインナップを変えてランチメニューとして提供される。
滋賀の食材の魅力を存分に引き出した、君島シェフのオリジナルのメニューをぜひご堪能いただきたい。

※掲載写真と実際のメニューが異なる場合があります。

<施設情報>
小石川テラス
住所 東京都文京区 水道1丁目3-3
*東京メトロ有楽町線江戸川橋駅から徒歩約8分
TEL 03-5840-2846
営業時間
ランチ 11:30-14:00
カフェ 14:30-17:30
ディナー 18:00-22:00
定休日 土日・祝日
URL http://koishikawa-terrace.jp/

滋賀を体感

ここ滋賀-COCOSHIGA-

都心や家庭でも滋賀の魅力を体感できる施設とメディアを紹介しよう。

●ここ滋賀-COCOSHIGA-
2017年10月29日に東京都日本橋にオープンする滋賀情報発信拠点「ここ滋賀」。滋賀県産の食品や工芸品の物販や地酒バーなど、さまざまな滋賀の魅力を見て、触れて、食べて感じることができる。

<施設情報>
ここ滋賀 ※2017年10月29日オープン
所在地 東京都中央区日本橋2丁目7-1 東京日本橋タワー
TEL 03-6281-9872
営業時間 1階 マーケット 10:00〜20:00/日本酒バー 10:00〜23:00
2階 和食ダイニング 11:30〜14:00 / 18:00〜23:00
URL http://cocoshiga.jp/

滋賀食べる通信

●滋賀食べる通信
地域に根付いた食文化を紹介する冊子と、実際の食材がセットとなって発刊されている「食べる通信」シリーズ。2017年10月より、新たに「滋賀食べる通信」が創刊。滋賀のおいしい発酵食材と食材のストーリーが隔月で届けられる。

<媒体紹介>
滋賀食べる通信
・隔月発行 3,000円/月
・定期購読 初回2017年10月発送
Webサイト:http://shigataberu.com/

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