OKURIMONO (January 2015)

職人のこだわりから生まれる豊かな米菓のハーモニー

がんこ職人 吉祥揃

がんこ職人 吉祥揃

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パッケージ
  • *パッケージは価格帯によってカタチが変わる場合がございます。
  • *デザインは時期によって変更の場合がございます。

うるち米、もち米といった米を主原料とする米菓。このシンプルな素材から作られる米菓には作り手の創造力や想いなどが、味や形を通してダイレクトに伝わってくる。
今回、SHUN GATE編集部では、作り手の個性にこだわった米菓を提供する、その名も「がんこ職人」というブランドから「吉祥揃」を紹介。名職人たちのそれぞれの個性が味と形に表現されている米菓はまさに“作品”と呼ぶのにふさわしいものだ。

まずは、「吉祥揃」を実際にSHUN GATE編集部メンバー内で食べたときの感想を、味だけではなく、見た目など様々な角度から、受け取る側の素直な気持ちも交えてお伝えしておこう。

一つひとつが個性豊かな米菓たち

「吉祥揃」をさっそく開けてみると、化粧箱のなかに8つの包みが綺麗に並んでいる。一つの包みがお茶うけにぴったりな量で、一つひとつの包みに異なる文様と見た目が美しい米菓が彩られている。
例えば、松の文様が入った「兆」の包みには、老木の木肌のようなひび割れた“からし丹”と、抹茶味の緑色の“小粒抹茶”が入っている。まさに、樹齢を重ねた松を思わせる渋さが包みからも漂ってくる。
一方、かえでの文様が入った「清」の包みには、苔むした石、紅葉、鮎のかたちの米菓が入っており、山間の清流のような情景が、作りだされている。合計28種類ものおかきが、それぞれに意味づけされた8つの包みに組み合わされていた。
どの包みから食べようかと、眺めているだけでワクワクしてくるが、まずは、厚めのおかきが目をひく八重かたばみの文様が入った「瑞」を開けて食べてみることに。
こんがり色づいた“げんこつ”は、歯ごたえのある食感の中に、おかきならではのもち米がもつ素材の風味が際立つ。海苔が巻かれた“大磯”は、巻いてある焼き海苔の心地よい味と香りと、もち米の味が、やさしく調和され、口の中に広がってくる。

もち米本来の風味高さをとことん追求

がんこ職人の米菓は、“作品”と称され、包みの裏側や冊子には、その作品を作った職人の名前が記されている。今回、我々は、“げんこつ”を作る職人繁友さんと“大磯”を作る職人孝雄さんのもとを訪れた。

「人はおかきでお腹をいっぱいにしたいわけではありませんよね。風味高さというものをお客様は求めていると信じて半世紀、菓子作りをやってきました」と話すのは“げんこつ”を作る職人繁友さん。

現在、繁友さんのところで使っているもち米は岩手県産のヒメノモチというお餅として食べても非常においしい、品質の高いもち米を使用している。
「製造工程で、もち米の風味は次第に飛ばされてしまいますから、もともとの風味が強いもち米を使わないと商品になった時に、あまり風味が残らなくなってしまいます」。もち米に対しての品質には強いこだわりを持ち続けていると繁友さんは話す。

また、おかきは製造工程の違いによって、風味だけではなく、食感までもがまったく違ったものになる。
繁友さんは、もち米を蒸かしてから、杵でつく“胴つき”という作り方をする。「よそには蒸練機(蒸しと練りを同時に行う機械)を使っているところもありますが、米を蒸してから杵でつくことで、もち米本来の旨みが出て、焼いたときの膨らみ方にも差がつくのです」と繁友さんは話す。
ついたもち米は、しっかりと歯ごたえのある堅めのおかきに仕上げるために、のし餅の状態で冷蔵庫に入れて約4日間寝かせている。

そして、風味を作り出す決め手は焼きの工程にもある。網の上に生地が並び、下から遠火を当てて焼き上げていくのだが、この間に繁友さんは何度もおかきをひっくり返す。「ただ焼くだけで美味しくならない。おかきは焼けながらも呼吸しています。空気中の成分をおかき全体に吸収させてあげることで、中まで風味が浸透していきます」。
お客様に風味の高いおかきを味わってもらいたいという一心から、おかき作りと向き会う繁友さん。繁友さんが作りだす“げんこつ”という作品には、その想いまでもが味や食感に個性として表現されているのだ。

昔ながらの天日干しにこだわり続ける理由

次に、我々は“大磯”の職人孝雄さんのもとを訪れた。孝雄さんは家族でおかき作りを営んでおり、兄の進昴さん、甥の裕児さんもおかき職人である。
彼らも繁友さんと同じく、もち米を丸のまま蒸かしてから餅をつく胴つきにこだわっており、その後の乾燥の工程は昔ながらの天日干しで行っている。
「餅をつくことは、しっかりと餅の味が表に出てくるということ。それを太陽で干すことで餅の味を内側に閉じ込めていきます」と話してくれたのは甥の裕児さん。

「天日干しは経験と勘です。『このあたりで焼きの工程に移れるか』という感覚は言葉で伝承しにくいのです。たとえ家族でもうまくは伝えられない。自分でやってみて試行錯誤を積むしかないですね」と孝雄さんは話す。この天日干しでは、さまざまな大きさや厚さの生地を、最も良い状態にさせるための目配りと気配りが要求される。小さなおかきで丸2日、大きく厚いおかきはだいたい4〜5日、天日でゆっくりと乾燥させられた生地は素材の味を主張する生地になるという。
食べ終わった後も、口の中で続く、長くあとをひくようなコク。そんな力強いおかきを追求していると、孝雄さんは語ってくれた。

また、天日干しによるおかき作りでは、四季を通じていつも品質の安定した商品を作り続けることは非常に難しい。
天候があやしくなってくると、従業員総出で屋内へと天日干ししているおかきを取り込むのだそうだ。
「そうやって苦労しても、良いおかきができたときは本当にうれしい」と、話す孝雄さんのやさしい笑顔を見て、我々は、“大磯”の海苔ともち米の調和のとれた、やさしい味にも通じる部分を感じた。

味づくりに専念する職人技を応援したい

このような魅力あふれる職人たちの作品を多くの人に知ってもらいたいとの想いから、職人たちの協力を得て、つくりあげた米菓のブランドが「がんこ職人」だ。このブランドを展開する、もめん弥の代表取締役社長、永井芳夫さんは次のように語ってくれた。
「職人それぞれにこだわりが違う。米や水の選び方が違う、餅作りが違う、製法も違う。一つひとつの工房で作れるおかきの種類には限界があっても、色んな職人の個性ある作品を組み合わせることによって、米菓の魅力が何倍にも増していきます」。

現在、「がんこ職人」には30人ほどの職人が携わっている。知名度が上がってきたことにより、いまでは他の工房からも参加させてほしいという申し出があるという。
また、立ち上げから40年がたち、「がんこ職人」を一緒に作り上げてきた職人たちにも二代目が育ち始めた。親の背中を見て育った二代目たちで結成した「がんこ職人二代目会」は、伝統を守る決意をしながらも、新しい感性も取り入れ自分たちのおかきづくりに取り組んでいるという。
「今の若い職人たちは昔と違って、よく交流を行っていますよ。私も、ときどきその会に参加するのを結構楽しみにしているんです」二代目職人たちも良い米菓を作り始めてきたと、永井社長はうれしそうに話す。

「がんこ職人」ブランドの作品は、職人たちの手によって繋がれていく日本の伝統と文化までを届けることができる贈り物といえるだろう。

もめん弥 本店の紹介

江戸との交易で栄え、蔵の街として知られる栃木市。巴波(うずま)川のほとりに並んだ蔵造りの黒塀と白壁の土蔵の眺めは、まるで100年前にタイムスリップしたかのよう。
もめん弥本店は、観光スポット塚田歴史伝説館のとなり、巴波(うずま)川にかかる幸来橋のたもとに建っている、明治初期の風情ある建物。「がんこ職人」のおかきはもちろんだが、地元の材料を使った和菓子もお土産に買うことができる。お店の奥には休憩スペースが設けられ、買ったお菓子をその場でいただくこともできるので、蔵の街あるきに疲れてちょっと甘い物がほしくなったとき、立ち寄ってみてはいかがだろうか。

住所 栃木県栃木市倭町2-18
*JR栃木駅から徒歩約15分
TEL 0282-22-7400
営業時間 9:00-18:00
定休日 1月1日
URL http://www.momenya.com

栃木県 観光情報

japan-guide.com http://www.japan-guide.com/list/e1210.html